[名称] | 薬水の井戸 |
[場所] | 奈良県吉野郡大淀町薬水129 |
[言い伝え・概要] |
大淀町薬水。近鉄薬水駅から南へ。出合橋を渡らず左へ徒歩5分。レンガ造りの薬水高架橋を抜けてすぐ。 薬水には、「薬水の井戸」と呼ばれている、ふしぎな伝承を残す井戸(湧き水)があります。 弘法大師が、宇陀の室生寺と高野山のあいだをゆききしていたころ、あるときこの村を通りかかると、村の人たちが大勢疫病にかかってこまっているのをみてあわれに思い、このふしぎな井戸を教えてくれたという。村の病人たちがその水をのむと、病気がたちまちなおってしまった。うわさはすぐに、四方にひろまり、たくさんの病人がその水をのんでたすけてもらった。そのかたわらに、大師堂も建立されたほどであった。ところがそののち、無信の人が、この水で米をといたり、むつき(ふんどし)を洗ったりなどしたので、そのたたりをうけて失明してしまったようなことがあった。それからというものは、人々はこの水をこわがって、ちかよらなくなってしまった…(「ふしぎな井戸」『大淀町史』をもとにしました)。 大正7年(1918年)にまとめられた『大淀村風俗誌』には、この井戸が一日数千人のお参りでにぎわったとの話も伝えています。現在は、薬水集落西側の田中さん宅に、伝承地「薬水の井戸」が残り、数十年前に再建された「大師堂」がそのかたわらにまつられています。 |
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出典 大淀町