【源智の井戸】(長野県の水場・平成の名水百選)松本市中央3丁目 城下町ができる前から飲み水として利用され・明治天皇御前水にも使われた 今も豊富な流出量を誇る井戸

[名称] 源智の井戸
[場所] 長野県松本市中央3丁目7
[言い伝え・概要] この井戸は松本市内にある名水の一つで、松本城下町が形成される前から飲用水として使われていました。城下町ができてからは、地元の宮村に住む人々に利用されましたが、その所有者は中世以来この地に住居を構えていた河辺氏で、天正年間に小笠原貞慶の家臣だった河辺縫殿助源智の名をとって、源智の井戸とよばれるようになりました。

この井戸の存在は早くから知られ、歴代の領主や城主は、不浄なき旨の制札を出して保護に努めていました。また、遠近からも多くの人々が訪れ、酒の醸造にも使われました。明治13年(1880年)の明治天皇松本御巡幸時にはこの井戸の湧水が御膳水として使われました。なお、町名の「源地(源池)」は、この井戸の名に由来しています。

この井戸の水は毎分約200リットルの湧出量を誇り、地元だけでなく市内外の人々にも人気が高く、多くの方が水を汲みに来ています。井戸がある地元の宮村一丁目では、有志のみなさんが「井戸を守る会」を作り、一年間を通じて早朝の清掃や周囲の環境整備、注連縄(しめなわ)のはりかえなどを行っています。

松本城下町周辺では、周りの山々から集まってきた地下水が豊富で、井戸や湧水が数多くみられます。平成20年6月には、環境省による「平成の名水百選」に、「まつもと城下町湧水群」が選定されましたが、源智の井戸はその代表的なもののひとつです。

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出典 松本市